この春一番の良い天気だ。群青色の空と白い峰を見るといやが上にも気分は盛り上がってくる。登山口には大勢の山スキーヤーやボーダーが支度をしている。登山口から50分ほど汗をかきながらのシール登行の後に南へ尾根伝いに神楽峰を目指す。普段は冷たく感じる風が今日は心地よい。尾根には雪庇があり踏み抜かないように注意が必要だ。神楽峰に着く頃には大勢いた人たちはそれぞれの方向に散ってしまい中年のボーダーが一人いるだけになった。埼玉から来たと言うこのボーダーは雪の上に座り込んで缶ビールを飲んでいる。山頂からの景色が最高の摘みだと笑いながら言う。ここから間近に見える真っ白な苗場山の北斜面は夏の顔とは違う厳しい顔つきをしている。一休みした後遠くに見える反射板を目指して滑り始める。春の日差しで雪面は程良く柔らかくなっており思い通りにターンすることができる。思わず歓喜の声があがる。反射板下の大斜面はやや急だが雪質の良さに助けられて気持ちよく滑ることができた。このコースは急斜面は少なく我々のような下手なスキーヤーに優しいコースだ。良い天気と雪質に恵まれて山スキーの楽しさを存分に味わえた1日だった。 |