鳩待峠のマイカー規制が始まるまで数日ある。平日の為なのか鳩待山荘前の駐車場には数台が駐車しているだけだった。鳩待山荘の裏から登山道は始まっている。登山道の傾斜は緩く楽に歩くことができる。森の中はまだ雪が深い。雪をザクザクと踏んで歩くのは気持ちがよい。傾斜の緩いところで歩くスキーを履いてみるが雪面が波打っていてツボ足で歩く方が楽だし速いくらいだ。それでもスキーで歩くのは楽しい。出発の時曇っており時々小雨も降っていたが横田代に着く頃には青空が出てきた。横田代からアヤメ平にかけては樹林帯は終わり素晴らしい眺望が続くようになるが、そのぶん風当たりも強くなる。この日も風が強く真っ直ぐ立って歩けないくらいだった。アヤメ平から富士見峠に下っていくと右手下方に富士見小屋の緑の屋根が見えてくる。それに引かれて下っていくと登山道をはずれたらしく登山道を示す赤リボンが見あたらなくなってしまった。最後に見たリボンまで登り返して正しい方向に修正したが雪で登山道がわからないときは注意が必要だ。富士見峠から尾瀬ヶ原へはしばらくは緩い下りが続くが尾瀬ヶ原に出る最後の下りは急斜面となり雪も深く難儀した。ここまで中年の男性一人とすれ違っただけで尾瀬の人の多いイメージとは全く違った。竜宮まで下ると風もなく暖かく春の陽気だ。ミズバショウがあたり一面に咲き始めていた。 |