登山口の駐車場に着いたときは小雨が降っており山は霧がかかり見ることは出来なかった。車の中で朝食を食べながらラジオの天気予報を聞いてみると午後からは晴れると言う。登山は中止しようと思っていたが気を取り直して出発することにした。ぬかるんだ赤土と岩の急登をしばらく登り六合目に着く頃には青空が広がりヌクビ沢、天狗尾根が見渡せるようになった。森林限界を超えると前方には前巻機山が、後ろには雲海の向こうに苗場山や北アルプスの山々がのぞめる。すばらしい景色だ。ここから前巻機山までの斜面はニッコウキスゲが一面に咲き黄色の絨毯を敷き詰めたようだ。草原を渡ってくる風が汗をかいた体を冷やしてくれる。前巻機山から巻機山まではなだらかな草原が続きお花畑や池塘が点在している。山頂は大勢の登山客で賑わっていた。越後三山が北に見えるはずだが雲のために一部しか見ることが出来ない。昼食後に下山を始める。鞍部にある避難小屋から東に10分ほど下った沢の水場に行った。雪解けの沢水は1分と手をつけておくことができないほど冷たい。周りにはハクサンコザクラやシラネアオイの群落があり時間がたつのも忘れてしまうほど美しい花畑が広がっている。前巻機山まで登り返してから往路と同じ道を下山する。長く続く下山は足に負担がかかり疲労が激しかったが美しい山と花々にあえて足の疲労も苦にならなかった。 |