一日目 天川村役場に駐車して前日停まった宿の車で行者還トンネル西口登山口まで送って頂いた。渓谷沿いに伸びる309号線は国道とは思えないほど狭く急な悪路だが送迎係りの青年は慣れた様子で運転してくれる。運転してくれた青年に礼を言ってから歩き始める。登山路はブナやナラの林の中を穏やかに山頂に向かっている。落葉樹に囲まれた登山路は落葉の季節には眺望がよい。後には山上ヶ岳方面を見る事が出来る。山上ヶ岳は本来の大峰山なのだが女人禁制の掟を今も厳しく守り夫婦登山の我々は入山する事が出来ない、残念な事だ。今回登る八経ヶ岳は大峰山脈の最高峰なのでそれで良しということにしよう。小屋のある弥山までは3時間ほどで登ることが出来る。小屋に荷物を置いて八経ヶ岳に向かう。八経ヶ岳山頂からは360度の素晴らしい眺望が広がっている。暫く眺望を楽しんでから弥山小屋に戻る。小屋前のテーブルで友人が運び上げてくれたワインで乾杯する。沈む夕日と登る満月を見ながら飲むワインは格別に美味しい。
二日目 早朝小屋の屋根を叩く雨音と風の音で目が覚める。今日は生憎の天気のようだ。朝食後に合羽を着て出発した。狼平までの長い木製の階段は雨で濡れて滑りやすい。狼平の避難小屋は新しくて清潔だ。男性が一人泊まっていた。栃尾辻の避難小屋はトタン製で土間だ。長い尾根を下り膝に負担がかかる。膝の疲労が激しくなってきたころようやく天川村役場駐車場に着いた。 |