雨は降ってないが霧が深く合羽を着ての出発となった。ビジターセンター横から登山道に入る。トウヒやモミの深い森は時々鳥の鳴く声が聞こえるだけで静寂に包まれている。登山道は石畳や木道で整備されている。日出ヶ岳への鞍部にある展望台で小休止してから山頂に向かう。山頂へは数分の登りだ。山頂にある展望台は霧に包まれていた。晴れていれば熊野灘、大峰山脈、遠くは富士山までも見えるらしいが今日は全く眺望がない。山頂から正木が原に向かう。正木が原は1959年の伊勢湾台風で樹林が立ち枯れてしまい笹原が続いている。小学校に入ったばかりの頃だが伊勢湾台風の強風と雷光は今でも良く覚えている。牛石ヶ原の神武天皇像の前で小休止してチョコレートやビスケットを食べる。神武天皇の東征神話にちなんでいて弓の先端にやたがらすが停まっている。怪物が封じ込められているという牛石の横を通り大蛇ーに向かう。大蛇ーは大蛇の背中のように長い岩場だ。霧で濡れて滑りやすく強風も吹いているので先端までは行くのを諦めた。友人は意を決して行ったが強風にあおられて吹き飛ばされそうになっていた。大蛇ーからシオカラ谷への長く急な下りを行く。坂の周囲はシャクナゲが繁り花の時期には花のトンネルが出来そうだ。長い下りで手術した右膝に痛みが出始めた。昨日の大峰山登山の疲れが残っているのかもしれない。ゆっくりと無理をしないように歩いた。シオカラ谷吊り橋からの登りを登り切ると出発点の駐車場に着いた。 |