箱根峠を越える国道1号線は濃い霧の中で車の前照灯を点けて走行した。対向車が近くに来るまで判らないので低速で走った。箱根峠茶屋の駐車場に車を停めて歩き出した。旧街道の石畳は霧で濡れていて滑りやすい。私も足を滑らせて尻餅を着いてしまったが手術した右膝には異常はなかった。旧街道沿いには旧跡が多数ある。雲助徳利は雲助達に親分以上に慕われた浪人の墓で雲助達が彼を偲んで作った墓だ。もとは西国大名の剣道指南役だったが酒好きが災いして箱根まで流れてきたらしい。墓標は酒徳利と杯が彫られていて何ともユーモラスだ。山中城趾は北条氏の山城だ。工夫を凝らした堅固な城だったが10倍以上の兵力で攻め入った豊臣勢にわずか半日で落城した。強者どもが夢の跡だ。虫歯地蔵の顔もひょうきんだ、歯が痛そうにしている地蔵は見たことが無く面白い。舗装した国道や石畳は膝に負担がかかり三島宿が近づく頃には疲労が蓄積されてきた。三島大社の茶屋で休憩し福太郎餅を注文する。伊勢神宮の赤福餅に似ている。三島大社に御参りしてから三島名物の鰻丼とビールで昼食にした。鰻丼は肉厚でとても美味しい。昼食後に三島駅から路線バスに乗って箱根の峠茶屋の駐車場に向かった。 |