早朝起きだして小屋の周りを散歩する。小鳥たちの鳴き声が響いてくる。空は晴れ渡っており夕方まで天気はもちそうだ。朝食後に小屋で作ってもらった弁当を持って歩き出す。早朝の山の空気は清々しい。皿伏山は樹林で眺望なく一休みしてから白尾山に向かう。皿伏山からは一度下ってから白尾山に登り返す。250m程の登り返しだが息があがって苦しい。白尾山の眺望は素晴らしく武尊や笠ヶ岳等上州の山並みが迫ってくる。白尾山から下ると電波塔のある林道に出る。林道脇には遅咲きのミズバショウが咲いている。水たまりにはクロサンショウウオの卵が産み付けられている。サンショウウオのオタマジャクシを狙ってヤゴがうごめいている。オタマジャクシを助けてあげたい気持ちもあるがこれも自然の営みなのだろうと見守る。富士見小屋でカレーうどんを注文し弁当のお握りとともに食べる。富士見小屋の主人から尾瀬の話を伺う。気さくで話し好きのおじさんだ。昼食後アヤメ平に向かって歩き出す。天上の楽園と言われたアヤメ平は今は登山者に踏み荒らされてかつての面影はない。植生回復の養生工事が痛々しい。人ごとではなく自分への戒めとする。富士見小屋の主人から聞いたとおりの場所にあったムシトリスミレをみる。尾瀬ではアヤメ平だけで見ることができるらしい。この可憐な植物が虫を捕らえて消化してしまうとはとても思えない。アヤメ平から横田代を通り正面に至仏山を見ながら下山しやがて鳩待峠に着く。梅雨の最中にもかかわらず天気に恵まれ友人達と楽しい山行だった。
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