高妻山登山は行程が長いので日の長い夏の早朝に出発しなければならい。前夜戸隠牧場の近くでテント泊して早朝登山口に向かった。大自然の中で眠るのは気持ちの良いものだ。牧場のキャンプ場には沢山の若い家族がキャンプを楽しんでいる。牧場を通り抜け登山道に入る。登山道は何度も沢を渡りながら続いている。大雨の後は渡渉は難しそうだ。滑滝の左岸には鎖がかっており沢登の気分を少しだけ味わえる。滑滝を越えて間もなく帯岩をトラバースする。帯岩にも鎖がかけられている。鎖や足場の岩が濡れているので慎重に渡る。帯岩の鎖を登りきり氷清水で小休止する。冷たい湧き水を飲み汗で濡れた顔を洗う。氷清水から15分ほどで一不動避難小屋に着く。避難小屋の宿泊は禁止されている。天候の急変等の緊急時だけ宿泊が許されている。多数の登山者による環境汚染が問題のようだ。一不動から二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵、六弥勒、七観音、八薬師、九勢至の各ピークを順調に越えていく。ピークに仏様の名前が付けられているのが面白い。九勢至から頂上の十阿弥陀までは急登でかなり体力を消耗する。十阿弥陀のすぐ先にある山頂で記念撮影をしてから昼食にする。山頂はガスがかかり眺望は無かった。山頂の狭い空き地は大勢の登山者で満員だ。昼食後に往路を引き返す。下山中に左膝の腸頸靭帯に痛みが出始めた。以前は下山中にしばしば痛んだがここ数年は無かった症状だ。手術した右膝を庇って左膝を酷使してしまったのかもしれない。スピードを落として下山を続け予定した10時間を少し過ぎて出発地の牧場に着いた。 |